アトリエの窓辺から

作品解説などを徒然と書いております。

万年筆インク耐光性実験: 2週間経過しました

この記事は万年筆インクの耐光性実験を開始して2週間経過の報告です。

「紫陽花」 
使用インク:DREAM INK欲望沼澤、夏日鳶尾/紙:ホワイトワトソン

実験方法の詳細についてはこちらの記事をご参照ください↓

fujikomechiko.hatenablog.com

今回からスキャナーを導入しました!(より見やすい画像になっている…といいなぁ)

1.経過報告

【実験概要】

手持ちの万年筆インクを3ヶ所に保存・設置して変化を観察する。

保存・設置場所:

 場所①:ファイル保管(全ての光を遮断)

 場所②:本棚横(室内照明のみが当たる)

 場所③:南面窓近くの壁(窓からの日光・室内照明ともに当たる)

【経過観察】

2週間経過時点での所感は「ほぼ変化なし」です!

正直なところ、場所③(日光に当たる)は短期間でもっとがっつり褪色してしまうかも…と想定していました。が!スキャン画像ではほぼ変化なし。肉眼でよーく比べるといくつかの色が気持ちマイルドな色に変化している…?くらいでした。

場所②(本棚横)設置分は肉眼で見ても変化なし

滲ませ(遊色)部分もほとんど色抜けなしです。

それでは、各サンプル画像と状況を解説していきます。

因みに…実感開始時のサンプル画像がスマホカメラ+自然光撮影だったのですが、今回からしっかりしたスキャナーを導入してのスキャン画像になります。

なので、開始時点の画像との見比べができな…い…のですが、「ファイル保管と展示状態での褪色速度の違いを知りたい」が私のこの実験の主目的なので、このままゆるりと続けていきます。

2.サンプル画像(2週間経過時点)

サンプルは【左:①ファイル保管 中:②本棚横 右:③南面窓近く】の順です。

変化が見られた色(場所①:ファイル保管との目視による比較)

場所②:本棚横は全色変化なし

場所③:南面窓近く

 僅かに褪色(少しだけマイルドな色味に変化)→六月檐雨、逆向夢境、骨縹、枯色鈴蘭、欲望沼澤

 上記以外はほぼ変化なし

ざっくりとした感想ですが、変化した色の内、逆向夢境、骨縹、枯色鈴蘭、欲望沼澤は赤系の色素がやや薄まった印象がありました。

ただ、「変化」といってもよーく見比べてみないと分からない程度の褪色です。

滲ませた部分も色抜けはほぼ無いように見えます。

3.〈2週間経過〉の結果

予想以上にどの色も頑張っています!

個人的には、場所②:本棚横が今のところ褪色せずに頑張っているのがとても嬉しい収穫ではあります。

あと、場所③:南面窓近くに設置してあるサンプルが、光を浴びてキラキラとラメが輝いているのが毎日目に入るので、私のQOLが密かに上がっております(笑)


今後も2週間経過ごとにスキャンデータを取っていく予定です。
ただ、余り変化のない画像ばかりになっても分かりにくいと思いますので、次回のこちらでの実験経過の更新・報告はある程度データがまとまってから行う予定です。

 

ここまでお読みくださりありがとうございました!

万年筆インクの耐光性を実験的に検証します

私の手持ちの万年筆インクの耐光性を調べてみたく、簡単な方法ですが実験をしてみます。

こちらの記事ではその実験・検証の記録として書いていきます。(経過報告も随時記事にしていく予定です。)

実験に使用するサンプル写真も載せますので、万年筆インクの色見本としてもぜひお使いください!

なお、今回の検証はインクメーカー・販売店とは関係なく、私個人の興味による取り組みですので、悪しからずご了承のうえご参考としていただければ幸いです。

 

[目次]

  • 1.実験概要
    •  実験の目的
    •  実験に使用するインク
    •  実験方法
  • 2.使用するサンプル
  • 3.実験をしてみる動機
  • 4.余談
  • 5.終わりに

 

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作品「清明に吹く風」の解説を書きました。

この記事では万年筆インク1色で描いた作品清明に吹く風」についての作品解説を書きます。

 

この「清明に吹く風」は、万年筆インク「休寧松夢」からイメージを拡げて描いた作品です。

私がどんなところからイメージを繋げたのかを書くのとともに、中国の伝統的なお茶や季節の行事、そして建築や服飾について、その中に息づいている吉祥の文化について解説していきたいと思います。

中国の伝統文化の奥深さと面白さの一端をご紹介できれば幸いです。どうぞ、ごゆっくりとお読みください!

 

作品「清明に吹く風」

清明に吹く風」2023.2    (DREAM INK「休寧松夢」、ハーネミューレ セザンヌ

インク名の由来は中国安徽省休寧県で生産される松蘿茶から。かつては皇帝にも献上されていた伝統と格式あるお茶です。

中国で二十四節気清明節は、親族で先祖を祭り野山で遊ぶ祭日。そして王宮では、清明節に最初に熾した火を使ってその年の新茶を煎れ、皇帝により天地へと捧げられます。

大気は光と生命に満ち、人々が賑やかに祝う春の一日。そして、懐かしい思い出がふと胸に訪れて、祈りと再会を願う心に蓮の花が揺れています。

(「インク・ミュージアム」掲載コメント)

 

【目次】

  1. インク「休寧松夢」の名前の由来と中国茶の歴史
  2. 皇帝と祭祀について
  3. 清明
  4. 「祥瑞」から「吉祥」へ
  5. 紫禁城と建築装飾(①走獣、②飛檐翼角、③格子戸)
  6. 午門
  7. 吉祥図案:柳
  8. 吉祥図案:蝙蝠
  9. 吉祥図案:蓮花
  10. 吉祥図案:月季花
  11. 吉祥図案:博古器物(三彩貼花龍耳瓶)
  12. 明代の服飾
  13. 明代の絹織物
  14. 吉祥図案:霊芝文様
  15. 吉祥図案:葫蘆(耳環)
  16. 吉祥図案:鳳凰(髪飾り)
  17. 吉祥図案:双喜鵲
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